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メイド・イン・アース 企画/制作 野﨑由貴さん

移住前の仕事を継続しながら、南房総で田舎暮らしを満喫

「メイド・イン・アース」は、株式会社チーム・オースリーが運営するオーガニックコットン専門のブランドです。2020年2月に入社し、商品管理や仕入れを担当している野﨑由貴さんは、翌年3月に南房総へ移住しました。移住前の仕事を継続しながら、南房総での暮らしを手に入れた野﨑さんの働き方についてお話をうかがいました。

 

【自宅でミーティングに参加する野﨑さん】

 

「うしろめたくない仕事がしたい」それが転職のきっかけ

野﨑さんは長年IT業界で仕事をしていましたが、あるとき社内でこんなうわさが広がりました。

 

「海外の取引先が、軍事用の何かに使っているのではないか」

 

本当かもしれないし、ウソかもしれない単なる“うわさ”でしたが、その可能性があることを少しでも手助けしてしまっているのが嫌だと感じた野﨑さん。

 

「たとえ派遣社員だとしても、大きな歯車の一つで最終的に何に使われるのかわからない仕事に関わるよりも、自信をもって、うしろめたくない仕事をやりたいと思いました」

 

【オーガニックコットンを使ったメイド・イン・アースの布ナプキン】

 

ある本でメイド・イン・アースの布ナプキンのことを知り、5年くらい愛用していた野﨑さん。「自分で愛用している製品に関わる仕事をすれば、うしろめたさがないかなと思った」それが、メイド・イン・アースで仕事をすることになったきっかけでした。

 

いつか、田舎で暮らしたいね。

2月に入社して1ヵ月間研修を受けたあと、新型コロナウイルスの影響によりリモートで仕事を進めていました。半年ほど経ったとき、リモートで仕事が実現できていることを実感。

 

東日本大震災以降、消費し続ける都市生活に少しずつ疑問を持ち始め「将来的にいつか田舎暮らしがしたいね」と夫婦で話すことが増えたといいます。“いつか”は、想像以上に早く訪れました。ご主人が退職を決意したのです。

 

「以前は田舎暮らしを妄想するくらいでしたが、本気で考え始めてからは市のホームページで移住について調べるようになり、コロナ禍でもZOOMで移住相談を実施していた市に相談をするようになりました」

 

その中の一つが、南房総市のオンライン移住相談「IJU Cafe」でした。

 

【オンライン移住相談「IJU Cafe」を開催中の担当者】

 

「移住相談はどこも親切丁寧でしたが、南房総市の担当者は実際に現地へ行くきっかけをくれました。もちろん1回行ってすぐに決められませんが、その後何度も提案があり、行くたびに人を紹介してくれたりイベントに案内してくれたりして、地元の人とつなげてくれたことで移住が現実的になりました」

 

南房総でこんな風に仕事をしています

東京にいるときから会社がリモートでの仕事を取り入れていたので、必要なパソコンなどの機材は全て会社が提供しています。南房総に移住して、人生初の犬との暮らしが始まった野﨑さん。朝6時に起きて、掃除、朝食、洗濯などの家事をこなしている間にご主人が犬の源(げん)とお散歩へ。「通勤時間がないので、朝はのんびりできて余裕があります」と話す野﨑さんは、庭で育てている野菜や和ワタの様子を見るのが日課。

 

【源と一緒に畑の様子を確認する野﨑さん】

 

8時40分ごろから仕事の準備を始め、9時からZOOMでのミーティングがスタート。まずは3~5分間、「今日やることがうまくいくように」や「お客さまに感謝する」などのテーマを決めてみんなで瞑想をすることから始まります。

 

【朝のミーティングに参加中】

 

「取材を終えたら、8月に南房総市で行うワークショップのチラシを教育委員会に持って行くので、戻り次第連絡します。午後からは電話通販の売上集計をする予定です」

 

とその日のスケジュールを共有。チームで相談しながら、月に3回ほど東京の事務所へ出勤し、資材を工場へ発送するような物理的な仕事を処理しています。

 

これから、南房総市で新しい働き方にチャレンジしたいと思っている人にアドバイス

「私たちは住むところが決まったというのが大きなきっかけでした。その土地を知ること、そこでやりたいことをイメージして、地元の人や、すでに移住している人につながったおかげで、よりリアルに考えられました。主人がお世話になっている農家さんでの出会いがきっかけで、犬の源とも出会うことが出来ました。源を通じて、今でも新たな交流が増え続けています」

 

【仕事部屋で愛犬源を抱っこする野﨑さん】

 

住居も、農家さんとの出会いも、移住窓口の担当者がつなげてくれたそうです。担当者が案内した地域のイベントで、メイド・イン・アースが続けている「和綿の種ひろがるプロジェクト」の種を配ったことがきっかけで、和ワタの種を置いてくれる店の人とつながり、そこから学校の先生や教育委員会の人につながり……。人の輪と種がリアルに広がっていくのを実感したという野﨑さん。

 

「メイド・イン・アースとして8月にワークショップを開催しますが、“いつか”と思っていたことが、こんなに早く実現できることに驚いています。南房総を訪れ、そこに暮らす人たちとつながることから始めてみるのがいいのかもしれません」

 

メイド・イン・アース https://www.made-in-earth.co.jp/