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第27回 株式会社オンザファーム 渡辺 幸司 さん 深見 航平 さん

株式会社オンザファーム 代表取締役 渡辺 幸司さん、取締役 深見 航平さん
 
第27回は南房総市富浦町で2018年に農業法人を設立された、渡辺 幸司さん、深見 航平さんにお話をうかがいました。お二人はともに法学部を卒業。当初は農業に興味がなかったそうですが、海外ボランティア団体への参加をきっかけに農業を志すようになったそうです。
 
■お二人の出会いを教えてください。
 
大学の最初の授業で席がたまたま隣でした。私から話しかけたのですが、深見に無視され、イラっとしたのが未だに忘れられません。笑 その後、深見に誘われて他大学(早稲田大学)の海外ボランティア団体に入り、大学生時代のほとんどの時間を共に活動することで唯一無二の関係になりました。
 
 左:渡辺さん 右:深見さん
 

オンザファーム渡辺さん深見さんの画像 の画像

 
■お二人の出身や経歴を教えてください。
 
 渡辺さん
1986年千葉県南房総市富浦町生まれ。2010年明治大学法学部卒業。ベンチャー企業に入社後、主に法人営業を担当。2011年から農業生産法人で就農の準備を開始し、2012年に深見と合流後、旧わたなべ農園を立ち上げ。
2018年3月株式会社オンザファーム設立、代表取締役に就任。
 
深見さん
1987年群馬県生まれ。2011年明治大学法学部卒業。都内ITベンチャー入社後、新規営業、既存顧客サポート、採用など業務全般を担当。主に企業・店舗用WEBページ作成サービスの販売に従事。2012年10月に渡辺と合流し、農業に触れる。WEBをひとつのツールとして、担い手不足など農業・地方の問題に挑戦したいと考え、旧わたなべ農園立ち上げ。2018年3月株式会社オンザファーム設立、取締役に就任。
 
以降は渡辺さん
 
■渡辺さんのご実家は農家ということで農業の厳しさもご存知のことと思います。
 当初は法学部に進学され、その後農業法人を設立された経緯などを教えてください。
 
高校卒業までは農業には全く興味がなく、漠然と法律関係の仕事がしたいと思っていました。法学部だったら就職するにしても良いだろうとも思っていました。
考えが変わったのは、大学進学後、海外ボランティア団体に入ってからです。その団体では、中国のハンセン病隔離村でワークキャンプを行っていました。ワークキャンプでは日本と中国の学生が隔離村で半月ほど寝食を共にし、村人にとって必要なワーク(水道を引いたり、トイレを作ったり、道を舗装したり、薪を切り出したり・・・。)をしながら、村人や学生同士が交流を深めていくものでした。その活動の中で、当然村人たちは貧しいので自分たちが食べていく(生きていく)ために農業をしていました。かたや、自分の実家のような商業的な農業もあり、農業は世界中どこにでもあり、非常に重要な産業だと実感しました。
農業界が後継者不足や食の安全性などネガティブな要素が多くあったことも逆にチャンスだと感じましたし、元々、起業願望もあったので、在学中に深見を誘って、農業で起業することを決めました。
 ただ、大学卒業後いきなり設立するのは難しいので、まずはベンチャー企業で社会経験をしてから、その次に農業の勉強をするために農業生産法人で就農の準備という段階を踏みました。農家に生まれ父や祖父をみて育ち、農業の厳しさを予め分かっていたのもあって、このように慎重に進めてきたのかもしれません。
 

オンザファーム渡辺さん深見さんの画像

 
■株式会社オンザファームの特徴、業務内容、社員の役割などを教えてください。
 
オンザファームでは全ての野菜を化学農薬・化学肥料を一切使わずに栽培しています。
さらに、肥料は牛フンや鶏フンなどの動物性肥料は使わず、植物性の肥料のみ(油粕、米ぬか、もみ殻など)にこだわっています。
年間で40種類以上の旬の野菜を出荷しています。少量のみ栽培している野菜も含めると、年間100種類以上栽培していますので、季節ごとにバリエーション豊富なラインナップでお届けできます。全国の八百屋様や飲食店様に販売しています。また、個人宅配も承っています。
また、草刈りや耕運の代行、収穫体験、有機栽培の技術指導、サポートなども行っています。
役割に関しては、毎日の収穫・出荷、農作業は全員が行います。また、渡辺が栽培計画や栽培方法の選定などの生産を担当し、深見がお客様とのやりとりなどの営業を担当しています。
 
パプリカとスイカ
 

パプリカの画像 スイカの画像

       
■農家の方の多くは「販売先を探すのに苦労している」と仰います。営業はどのようにされているのでしょうか?
 
まず大事なことは、うちの野菜を買って頂けそうなお客様をしっかりと選定することです。うちは中量多品種だと思うので、大きすぎない品質にこだわりを持ったスーパー様や八百屋様、飲食店様などをターゲットにしています。
あとは、テレアポをして反応が良ければ、直接会いに行くか、野菜のサンプルを送り、先方にご判断いただきます。ほとんどのお客様が「生産者から直接連絡が来ることは滅多にない。」と言われますが、生産者を常に探しているところが多いようで、かなりの確率で良い反応が返ってきます。
 またお客様になって頂いた後も、関係を深めていけば、新しいお客様を紹介してくださったり、イベントに参加させて頂けたりもします。とにかく良いものを作り、お客様を大事にすることが大切です。お客様とコミュニケーションをとり、お客様の求めている商品を把握し、できる限りの努力をして信頼して頂くことが一番の営業活動です。
 
バターナッツと袋詰めされた商品
 

バターナッツの画像 の画像

  
■お二人が考える南房総市の良い点や不便を感じる点を教えてください。
 
 渡辺さん
良い点:首都圏からの良い距離感。海もきれいだし、山もあるし、自然環境が良い。移住者が多い。
悪い点:若者が少なすぎて、活気がない。仕事が少ない、給与が安い。風が異常に強い。移住者が多いのに考え方が閉鎖的な人が多い。
 
 深見さん
・良い点:自然豊か。バイパスや高速道路がある(富浦)ので館山市内、都内へも気軽に行ける。
・不便な点:ネット上に情報があまり載っていないので、何がどこにあるかわかりづらい。お店が限られているので、買い物の範囲が狭い。友人を招く際の宿泊場所や飲食店が少ない。
 
■これからの目標などを教えてください。
 
いまは、生産がほとんどですが、その他の事業も計画しています。生産者としての視点・利点を維持した状態で、収穫体験や体験農園などの体験事業や加工品の製造や飲食店、八百屋の経営などもしていきたいと考えています。他にもいろいろアイデアベースではありますが、とにかく面白い独自な会社にしていきたいと思っています。最終的には、農業はきついとか儲からないなどのネガティブなイメージを変え、農業が普通に就職するひとつの選択肢に、むしろ就職したいと思わせられるような生業にしたいと思っています。
 


 

株式会社オンザファーム

 
【住所】〒299-2415 千葉県南房総市富浦町深名1493-2
【電話】080-4358-4014
【役員】代表取締役 渡辺 幸司
    取締役   深見 航平
【業務内容】農薬・化学肥料不使用野菜の生産・販売
      収穫体験事業
      農地の維持管理サポート
【Webページ】https://www.on-the-farm.jp/