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南房総市での新しい働き方

monk beat 山口 泰さん

自然のエネルギーを感じ、心ひらける豊かな南房総へ

 

【スタジオの作業場にて】

 
音楽業界、とくにアーティスト以外の音楽に関わる職業といえば、最先端の機器を使った東京でしかできない職業だと思われがちです。
しかし、アーティストをサポートし音楽作品を仕上げるレコーディングエンジニアという職業を、10年ほど前から南房総地域で行う人がいます。その人は山口泰(やまぐちやすし)さん。monk beat studio(モンクビートスタジオ)という一風変わったスタジオを持ち、東京からの仕事にも地域での仕事にも携わる山口さんに、南房総で仕事をすることについてお話をうかがいました。
 

東京からニューヨークへ。そして南房総へ。

山口さんが生まれたのは館山市。3歳まで館山で過ごし船橋へ転居。大学で上京し、ビクタースタジオに入社して、レコーディングエンジニアとなり、数多くの著名アーティストと一緒に仕事をしたそうです。そして、6年後に独立し、ニューヨークで仕事を始めます。
「ニューヨークの音楽層はすごく厚くて、業界自体は24時間動いていましたね。楽しさはもちろんありましたが、ストレスフルな環境だったと思います」
 

【愛用する機材】

 
2001年のアメリカ同時多発テロの発生をきっかけに、日本に戻った山口さん。拠点を移しながらも東京で仕事を再開しましたが、閉塞感を感じていたそうです。
「音楽スタジオと言うと密閉された空間のイメージだと思いますが、東京ではもちろんどこもそのような形でした。東京の街もほとんどがコンクリートの壁で、なんだか安心できなくて。植物である生垣の緑の壁なら生物として安心に思えるのにと感じていました。また、ちょうどその頃仕事で訪れたハワイの音楽スタジオが密閉されていないオープンスタジオで、それにも衝撃を受けました。
豊かな緑の中で過ごしたいという思いが強くなり、思い浮かんだのが、幼少期を過ごした館山。転居した後も、館山へ両親と里帰りをしていて、帰りには車いっぱいのお土産を親の実家が持たせてくれたんですね。そんなこともあって、『豊かな土地』というイメージがありました」
さらに、通おうと思えば東京へ通える距離という立地条件も当てはまり、2009年に移住を決めました。
 

作品のエネルギーが高まる場所

【アーティスティックな看板は南房総のアイアン作家の作品】

 
山口さんのmonk beat studioは、実は三芳にある薬王寺というお寺の中にあります。移住した時にご縁ができた館山市・那古寺の住職(当時は副住職)から、兼務住職をしている薬王寺を借りることができたのがきっかけだそう。
「たまに僕が住職だと思われたりもしますが(笑)、違うんですよ。お寺全体を借りてレコーディング機材や楽器を置いて、作業しています。」
お寺のスタジオにぴったりのmonk beat studioの由来を聞くと、
「ネーミングは実はニューヨーク時代にきっかけがあるんです。ニューヨークのようなコスモポリタン的な場所で、アイデンティティを保つため日本人の僕が心に鳴らしていたのは『法隆寺の鐘の音』なんですね。そこから、monk beat=修行僧の波動、というようなイメージで付けました」
移住当初、山口さんは東京から持ってきた仕事を継続して行い、東京へも頻繁に通っていました。
 

【ときおり鳥の声が聞こえる中での作業】

 
「当初は東京の仕事がないと生きていけない、と思っていましたね。東京は便利ですし、拠点にしているアーティストもたくさんいます。ただ、音楽業界はある意味感性の豊かさを売りにする職業なので、地球の波動を感じる自然に囲まれて音創りすることで、共鳴しやすい作品が出来る気がします。僕が東京で仕事をするときも生け花を飾って音に集中するのですが、感受性が豊かになり作品へのエネルギーが高まります。南房総は、オープンな場所なので心がひらきやすく人とつながりやすい、エネルギーがある場所です。まずは自分の心をリラックスさせていると、音楽に必要なひらめきも天から降ってくるんじゃないかと思いますね」
 

流れに乗って行ける行動力と勇気

【スタジオ敷地内の大きな木を見上げて】

 
現在、東京や他地域からの仕事を受けつつ、地域での活動に力を入れている山口さん。
イベントでの音響担当や音楽制作サポートと共に、monk beatというアーティストとして自然の音を録音するフィールドレコーディングを行っています。
近隣では、南房総市三芳地区の沢山不動、南房総市の根本海岸と館山市の布良海岸、鴨川市の保田古道などで音を録り、作品にしています。
「『ピースバイブレーションフォーネイチャー』というシリーズでCDを作り続けています。少しずつですが地域にも浸透してきているのが嬉しいですね」
さらに、「これからが新しい時代だと感じる」と話してくれた山口さん。
「流れに乗って行ける行動力と…それから勇気が必要になると思います。僕の場合は、30年ちょっと培ってきた音を扱う技術を、自由に組み立てて生きていきたいなと考えています」
 

これから、南房総市で新しい働き方にチャレンジしたいと思っている人にアドバイス

【笑顔で話を聞かせてくれた山口さん】

 
「移住に不安がある人も少なくないと思いますが、南房総の自然を感じて心をひらければ大丈夫です。自然に思いをはせ、大地でつながっている感覚を取り戻すといいと思います」
音楽に関わる職業ならではの感性で南房総を楽しむ山口さん。あなたも、南房総の自然に身をまかせてチャレンジしてみませんか?
 
monk beat
https://monkbeat.work/